拝啓、林真理子様!



さて皆様にお尋ねをしたいのですが、小説やエッセイでヒットを飛ばしているという作家、林真理子氏のことはお好きですか。美女入門シリーズなどのエッセイ、ラブストーリーは突然に不機嫌な果実などの原作者である「あの」林真理子氏のことは、お好きですか。
 

わたしは、好きでも嫌いでもありません、曖昧にしか知らない存在でありましたので。小説は数作読んだことがあれども、女を女として描こうとしているひとなのかなあという認識のみ。しかしながら昨日本屋に平積みで積んであったものだから「そんなに売れているのならば」とエッセイを読んでみたところ、これがまあなんとも『え?』というものでありましたので、どうして林真理子氏が売れているとなっているのかを大変疑問に感じまして。

お節介大好きなわたくし雨宮は、林真理子氏のエッセイを読んで何故『批判的』な気持ちになったかと述べさせて頂こうと思ったのです。と、いうことで。

拝啓、林真理子
初夏の日差しが近づいてきている今日この頃、お元気ですか。
あなたの紡ぎだす新作エッセイ『美女の七光り』とやらの感想、書かせて頂きます。


 
 
まずわたしが今回、初めて読んだ林真理子氏のエッセイはこちら。

美女の七光り (美女入門シリーズ)/林 真理子

¥1,260
Amazon.co.jp
 
 
なんと美女シリーズ、というエッセイの第10作目だというではないですか。ここまで続いて長く大きく発行されている、ということはかなり読まれているものなのでしょう。(具体的部数は分かりませんが…)

しかしながら、これを読んだわたしはさっぱり、一切、読者は何が良くて読むエッセイなのだろうとしか思えなかったのでした。あまりにも読んでいて不愉快な気持ちとなったため、ちょうどページ半分までしか読んでおりませんのでそこまでの感想です。この本、読み切らないままにブックオフにさようならすることが確定しています。

ブラックな感じで書き進めていきますので、読みたくないなあと思うひとはすぐに画面を閉じて頂ければ幸いです。
 

 
まず述べたいのは、このエッセイ全体的に『自慢多すぎ』で、自慢臭がぷんぷんとします。少し抜粋して紹介すると、

久々に会った某男性アイドルに「相変わらず綺麗ですね」と言われ、撮影の際には肩を組まれてしまった。

私が試着室から出ると、どよめきの声。そのコートとワンピが割と似合っているわけ。

エルメスの空き箱で窓を塞いじゃって、夫に怒られてなくなく片付けたら、見覚えの無いエルメスの服が出てきた。ラッキー!

着物にはまったときは年間に数千万、服代使っちゃって税理士困らせた。

東大中退36歳男性(在学中に司法試験に受かって中退したエリート、夫とは違うひと)と共にヨーロッパ旅行へ行き
 

 
 
と言った内容がわんさかわんさか!わお!すごい!

このエッセイ書いてるの、58歳のおばちゃんだということを知らずに読んだとしても…い、い、イタイ!これはイタイ!あちちち、と驚くほどに堂々と描かれたものであるのです。まあよくもここまで堂々と書けるもんだと驚きます、爽快なほど。

「そんなのいいじゃない、本人がそう思ってるだけで、あんたが文句言うことじゃないでしょ?」とどこかから反論が出てくるような気もしますが、このエッセイ、途中途中で自分以外の人間をほんの少し(いや、かなり?)見下したような文章がこれまたちらほらと浮かび上がってくるのです、例えばこちら。
 

そこで女友達の脱いだ靴を見て、びっくり。
思わず「あなたって靴にお金使わないのね、それはちょっとね…」と言ったところ「靴にお金かけたって仕方ないじゃないの」と言われてしまった。

(ちなみに前後に『プラダの靴5足も買っちゃった♫』『プラダでまとめ買いしたのにサイズ間違えちゃったからいとこにあーげよ♫』などという表現が何度も出てくる)

 

などと言うではありませんか、oh no…
これってばわたしの被害妄想すぎ?

友人の靴に何か思ったところでそれを口に出すのはふたりのことだし勝手にどうぞだとは思うけれども、それをわざわざ大衆向けのエッセイでしかもその安っぽいという靴のブランド名まで名指しで書いちゃうとは、これアッパレではないか、と。だいたいこんな友人の靴が安っぽいぜって指摘なんぞ、読んでてなーんにも、全然、面白くない。

読者でこの安っぽいとされた靴を持っているひとはどう思いながら読むのでしょうなあ…

(この安いとされている靴のブランド、参考までに言うとパンプス一足で1万3千円〜ぐらいの価格帯です。大人からすれば安いものではあるかもしれませんが、誰しもがよく履くごく平均的な価格帯では?と個人的には思ったり)
 

また先ほど述べたように服代に一年間で数千万使う真理子様は、


ダイヤモンドを買いあさるひとも、SMクラブで大金を使うひとも、とても極端な世界では無いだろうか。早く私のようなお買い物好きが普通にお買い物出来る世の中になってほしい。

という文章がサラっと出てくる訳でして、なるほど読者は年間に数千万円の服を買うあなたは普通のお買い物好きなのだと理解せにゃならぬのね、と複雑な気持ちとなりました。

こういうこと書くとまるでわたしがお金なくて負け犬の遠吠えしてるって感じに聞こえるかもしれないけれど、世で言われる圧倒的大多数のひとは真理子様側の気持ちを理解できないほうなんじゃないかなあと思うのでした。
 
 
だいたい金持ちはダイヤモンド買えば良いし、SMクラブ大好きなひとは自由にしていればいいし、まあそういうひとたちとは違うお金の使い方してますから〜みたいなアピールわざわざしなくていいですよ!大丈夫ですよ、真理子様!安心なさって!みんな一緒ですよ!

瘦せる為のダイエット薬にウン万円使ったら効いたのよ♡副作用も結構あってやばいけど♡アピールもだいたいの読者は「普通に瘦せろよ」って思ってるからこの本に書かなくていいんじゃないんですかね!
 

そして何より何より最後に。
全力で謝罪させて頂きながらもいちばん思っていたことを言います。
(あら、もしかするとかなり禁句かも?)

この本、「なんで美女ってついてんの
 

えっと、わたし、ひとの容姿言えないです、客観的に冷静に自らの容姿を評価してもどうしても平均値を超えることはできないなあと決して卑下や遠慮みたいなものでなく本当にそう思うのですが、、、いや、それでも。
 

林真理子、という名前で検索をして顔を拝見してみればどこが美女なのだろうか、とどうしても思わざるを得ないのでした。はい、ごめんなさい。エッセイ読んだ限りではヒアルロン酸注射などもされているようで。でもこのエッセイのタイトルからしちゃえば「これを読めば私のように美人になれますわよ、おほほほほほ!」って感じしますやん?
 
美に執着する、という意味での美女の七光り、というタイトルなのでしょうか。よくわからぬ!
 
林真理子様の写真▼


 
 

あとですね、最後にもうひとつだけ。
 
ちょこちょこと『印税で儲かっていたあの頃はついつい買い物しすぎたもので…』『出版大不況といわれるこの頃じゃあ…』といった表現が出てきて、バブルにいつまですがりついているひとなんだろう、と素直に思ったことも、バブルを知らない平成生まれのわたくしから一言添えさせて頂きます。
アホみたいに買い物出来たのにな〜、ってそりゃただのアホやん、ってゆとり世代(私世代)から言われちゃいそうだからお気をつけて!
 

さて1260円出して、なんとも不愉快な気持ちになるこの本。
(ちなみに本の帯には真理子様の写真入り!)
是非ともお手に取ってみては、いかがでしょうか。
(きちんと宣伝♡)
 

また読んでいて「このチクリと自虐に見せかけてかーなーり自慢げな空気、最近どこかで似たような空気の文章を読んだな」と思っていたのですが、思い出してみれば最近読んだ、連続保険金殺人の容疑をかけられている木嶋佳苗被告の手記でした。あのひとの文章もすごいなあと思います、真似できぬ。リンク貼ってあるのでよかったらどうぞ。
 

あ、この本読めないなあと思ったそこのあなた。お口直しにこちらはいかが。個人的にはこの本を買うなら、アラサーちゃんという本のほうがかなりおすすめなので(特に女性諸君)こちらを読むといいですよ。880円(税別)です。
 
シンプルに一部だけ抜粋します。
 

 

ということで、林真理子様!
残念ながら今回、貴女の著作に挑もうとしたものの不快で読み終わることが出来ませんでした。 
 
たっぷりの自虐に見せかけた自慢と、バブルっぽい匂いがどうやら青二才のわたくしには合わなかったようです、無念です。いつか大人の色気などが分かる年齢になりましたならば、「プラダの靴サイズ間違えちゃった〜きゃはは」って生活が出来るんですよね、平成生まれの不況しか知らない就職氷河期のわたくしでも出来るんですよね。いつかその日に再び、ページをめくりたいと思います。
 
 
次回著作には本屋の立ち読みにて再び挑戦させて頂きますので、どうか執筆活動頑張ってくださいね。愛を込めて! 

敬具
 
雨宮美奈子