千秋楽を迎えて、1ヶ月。今年の自分を振り返りながら、舞台『泡雪屋流寓譚』感想など



さて、この2019年の始まりは、わたしにとって良いものではありませんでした。

 

それなりにはまだ若いはずなのに(だって28歳だよ)ずっと覇気がなく、元気が空回っていくような、自分で自分をコントロールできない歯がゆい感覚がつきまとい、思い通りに生きられない1年になるかもしれないと年始から感じていました。

それは体調にも、精神面にも如実に現れていたように思います。

 

「これじゃ、まずい」

 

そう思い、今年の2月にはロンドン、パリ、マルタに滞在し、1ヶ月以上日本を離れては自分を見つめ直しました。

突然妻が遠くへと旅立ったにも関わらず、快く送り出してくれた夫には深く感謝しています。

 

ヨーロッパでは沢山の素敵な友人ができ、良い経験を得ました。

特にフランス・パリでは黄色いベスト運動にも参加し、パリの現実について何人かにインタビューをさせていただく機会にも恵まれました。

人生初の催涙弾をくらって、喉がご臨終したりもしました。あれは扁桃炎持ちには地獄よ、マジで。

 

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日本人の多い郊外の町では、キャリア相談会のようなものにゲストとして呼ばれ、ちゃっかりフランスでも仕事もしてきました。

 

元気をチャージし、万全の状態で日本に帰国したように思っていましたが、帰国直後の3月には本格的に体調を崩し、仕事を休業もしました。

 

ライターを、辞めます - 雨宮美奈子、美徳はよろめかない

 

(日本在住なのに、日本に帰国すると具合が悪くなるって……)

 

なんだか、わたし、もう駄目かもしれない。

授業が始まってもなかなか大学にも足を運べず、つらい気持ちで屍のように生きながらえていました日々ではありましたが、それでも、やっぱり。

「文章を書こうかな」という思いが、頭を何度もよぎりました。結局わたしは、文章を書くことが必要で、ライフワークなのかもしれません。

他者へのインタビュー記事や誰かの原稿編集など、人としっかり深く関わるような仕事からは手を引きましたが、自分だけで完結する仕事(エッセイなど)だけは少しずつ打って返すようになり、なんとか一歩、またもや一歩と歩みを繰り返して初夏を迎えました。

 

『メンヘラ批評』に寄稿しました - 雨宮美奈子、美徳はよろめかない

 

……と前置きがとても長くなりましたが、そんな初夏から、「今年、これだけは絶対にやりきりたい」と一念発起して頑張ったのが、演劇の舞台です。

 

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舞台の名は、『泡雪屋流寓譚』。

主宰団体は、『あんっ♥️HappyGirlsCollection』、通称『フココレ』。

夢乃屋毒花さん率いる、不幸女子の、不幸女子による、不幸女子のための団体です。

 

 

 

有難いことに選んでいただき、参加させていただき、全4公演にて、回によって違う3つの役にて舞台に立ちました。

(回によってキャストが入れ替わるという、シャッフルキャスト制の劇団です)

 

沢山の迷惑をかけたにも関わらず、沢山ことを教えてくれた共演者である役者の仲間たちには心から一番の感謝を伝えつつ……も。

やはり直接足を運び、お金を払い、観に来てくださった方々には特に声を大にして何度でも何度でも改めて感謝を伝えなければなりません。

 

ご来場いただきました皆様、本当に有難うございました!

 

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今回の舞台稽古を通して、わたしは人生で初めての様々な発見をしました。いまさら、というようなことですがわたしには大事なことでした。

 

こんなにも自分は不器用な人間なのか、と己の記憶力や運動能力の低さに絶望もしましたし、精神的なタフネスさみたいなものが幼稚なまま28年も生きたのかと感じるなど、間違いなく今年で一番自分に向き合った時間でした。

 

安くないお金を一人一人から頂戴している以上は、中途半端なもの、未完成のもの、そんなものをお客様に差し出す訳にはいきません。

それは何度だって肝に銘じながら。

ときに予想しない人生の出来事も、思い通りにいかない体調もありますが、それでも与えられた役目の中で舞台の上からは全力投球しました。

 

あまりに真正面から心を使い、身体にはとんでもなく力が入っていたようで、公演中は何もなかったのに、舞台終了直後に鏡を見たら唇から大量に血が出ていたのには笑いました。

怒鳴りつけるシーンで、ものすごく強く噛み締めていたようです。そしてその傷跡は、1ヶ月が経った今も消えません。ウケる。
あと膝はなぜか紫色のアザだらけで、それを見た友人から「走り回っている幼稚園児のヒザってこんな感じだよね」と言われました。ウケない。

 

残念ながらわたしは複雑で高貴な演劇論などを持ち合わせていないので、馬鹿正直に自分が感じるままに向き合うままに演じたお芝居でした。

でもそのせいなのか、どうなのか、なんと記憶がないんです。

 

呼んだお客さんや、わたしのことをネット越しに応援してくれて見に来てくれた方々などから、しきりに「舞台に出てみてどうでしたか?」と感想を聞かれるのですが、いやはや不思議なことに全4公演の舞台の上に立った記憶がすっぽりないんです。本当に。いやマジで自分が一番困ってる。

 

だから、そんな皆さんから「あれがこうだったよ」、「演技よかったよ」とわたしの舞台の感想をいただく度に「自分、本当にそんな舞台に立ったんか?やれたんか?」と思わずにいられません。なにこれ、記憶喪失かな。

 

舞台の上で共演者と交わしたはずの会話、息遣い、温度。

何もかもがすっぽり抜け落ちているのは、本気で取り組んだゆえの反動にも感じられますが、単に公演終了とともにわたし自身の電池が切れただけなのかもしれません。精神的に駆け抜けて、空っぽになったような気がします。そしてしっかりと充電していれば、いつの日か少しずつ思い出すような、気もしています。

 

だからわたしの現段階での正直な、飾らないそのままの感想としては「思い出せない」です。面白みがなくて大変に申し訳ないのですが、お許しください。いつの日か丁寧に思い出したらば、お酒片手に語ろうと思います。

 

ということで息継ぎをした記憶のない、ノンストップの2日間でした。

 

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お客様から直接いただいた感想をいくつか抜粋し、以下に原文ままで掲載いたします。細かな解説はしないので、怪しい単語も並んでいますが、観に来れなかった人は想像してくださいね!

 

  • とにかく忙しい舞台だった、ステージの右と左で同時進行で別々の会話が進んでいたりするので、耳を一生懸命に使った気がする。全部の公演にいかないとわからないような仕組みになっているんだな、と思った。でも90分とは思えないほど一瞬で過ぎた、楽しかった〜!!
  • ちんこんにゃくが衝撃的過ぎた
  • 上演中、みるところがだいたい複数あって、鑑賞の自由があるという芝居が初めてだったので斬新でよかった
  • 2公演、別の役柄で観ましたがどちらも雨宮さんの目がとても引き込まれ、ときどき怖かったです。たぶん鬼気迫る役が得意なんだなと思いました。もう少し近くで見たかったので、めちゃ正直に言うと、雨宮さんは舞台よりもドラマとか映像向きな気がします。ぜひ出てください!><(お願いです!)
  • ストリップ劇場が舞台の物語とは聞いていたけど、ここまで脱ぐとは思わなかった。生々しい裸体を沢山見れて最高にエロかった。びっくりした。このためにダイエットしていたと言う理由がわかった。
  • サブカル系(でいいの?)の演劇に初めて来たけれど、とても勉強になったよ。表現の世界はこんなにも自由で広がってるんだな〜〜〜と思ったのが第一印象。あとひとつ質問なんだけど、血だらけの腸みたいなやつ、あれなに?まだ夢に出てくるんだけど。
  • マッチ売りの少女が一番印象に残った。あの子の演技が一番難しそう!
  • 初めて雨宮美奈子さんの実物にお会いできましたが、不思議と華があるなと思いました。場をかっさらう才能のようなものを感じました、小説を書く人なのかというイメージだったのですが、演者としても動けるとは…。ぜひ近いうちに別の作品でもお目にかかりたいです。
  • 全部の回が良かったです!でも個人的には千秋楽が一番美奈子さんの人柄そのままでぴったりだなって思いました!

 

以上、感想の抜粋でした。(長過ぎて全員の全部は掲載できなかった、ごめん!)

ぜひ感想を送ってねと伝えたところ、沢山の人からいただきました。深く感謝申し上げます。

 

加えて、大変に有難いことに劇団の方、映像制作をしている方からいくつか作品へ参加しないかと言うお声をかけていただきました。

 

なるほど、演劇の舞台ってのはこうやってみんな次の作品にスカウトされていくのか!と学びました。他の劇団にゲスト参加みたいになってる人って、こうやって役をもらってくのですね。

どれも大変に有難い&身に余るお話ばかりでしたが、しばらくはあと半年で終わる大学での勉強に打ち込みたいのと、自分自身の至らなさについて猛省をしているので、今後は役者として何かに出演するつもりはありません。

 

もしかすると、もう一回り成長して舞台に立ちたくなる日が来る……かもしれませんが、それはあったとしてもきっと遠い未来だと思います。

ご期待に沿えないこと、申し訳なく思いますが出て欲しいと思ってくださる方がいるという事実によって、肯定されて生きられるような気がします。感謝します。

 

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また、お花やプレゼントなどなど、たっくさんの差し入れもありがとうございました。

 

フルーツタルトやエッグタルト(なぜかタルトが集まりがち)、本、栄養ドリンクをボックス単位(!)などもいただきました。

あとは癒し系グッズやら、メディキュットやら、入浴剤やら……他にもアクセサリーやタイツ、なぜか葉巻(なぜ?)などいっぱいのプレゼントに囲まれて、ただただ感激いたしました。

 

すべて大事に使わせていただいたり、飾ったり、保存したりしています。

 

これら頂戴したものは自分で持って帰るのが礼儀だとは思うのですが、花束はさすがに全部はひとりでは持ち帰れなかったので、夫と手分けし、タクシーで持って帰らせていただきました。植木鉢でくださった花は実家に飾り、残りは自宅に飾り、枯れた今、一部はドライフラワーにしています。

 

たくさんの愛を、応援を、ご来場を、本当にありがとうございました。

 

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既にここまでの文章の時点で4,300字を突破しているので(長すぎる!)、これ以上は何を言っても蛇足でしかないとは思うのですが、最後に書いておきたいのはこの舞台に立てて本当に良かったということです。

 

皆さんにお会いできたことが、文句なしの2019年のわたしのベスト思い出大賞です、まだ2019年終わってないけど。

 

「セーラーヴィーナスの美奈子と同じ名前だね」といってわたしをヴィーナスと呼び、優しくしてくださった共演者の皆さん。

誰よりも妥協がなく、でも誰よりもチャーミングで愛情深い主宰のおはなさん(夢乃屋毒花さん)。

そして誰よりも時間とお金をかけて阿佐ヶ谷まで観に来てくださった皆さん。

本当に有難うございました。

 

自分に自信がなく、不器用なわたしです。

人生はままならないこともありますが、2019年、残りは前を向いて走り切りたい気持ちでいっぱいです。見ていてください、このまま頑張ります。

 

以上、雨宮美奈子でした。謝々!

 

 

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