読んで面白かった本や漫画いろいろまとめ、特にタラレバ娘を超える「恋のツキ」には悶絶しまして



  

「趣味は?」と聞かれれば、王道ながら「旅行と読書」と答える私は、隙あらば海外にふらっと消えますし、何もない日はずっと本を読んでいることが多いです。

 

多分一番読んでるジャンルは雑誌で、1日に必ず新しい雑誌3冊はまるっと読んでおりますので、週刊文春からCanCam、週刊アスキー、月刊ムーまでちゃんと読んでます。雑誌って、なんであんなに読んじゃうのかね。

まあ、近しい友人に雑誌マニアすぎて取材まで受けた人がいるのでその人に比べれば読んでない方なんですけどね……。

月150冊読む雑誌マニアおすすめ「使える一冊」 温泉・ロケ地巡り… - withnews(ウィズニュース) ←その友人

 

さて、それとおなじく小説やら漫画やらも読んでいるわけですが、今回はそんな雑誌を除外して、最近読んでいるものや、今も何度も読み直しているものを久々にまとめてみます。小説や漫画中心で。

 

「最近何か読みたいと思ってるんだけど、面白いのない?」と思ってる人に、よければ参考にしてもらえると幸いです。渾身のおすすめ、一生懸命お伝えします。自分の好きなものを伝えるというのは、本棚の中身を伝える様で、ちょっぴり小っ恥ずかしいんですけどね。

 

やっぱり貴志祐介は最高だ!

ま、とりあえず聞いてくださいよ。

貴志祐介さんという小説家さんがいます。
名前だけ聞くとピンと来づらいかもしれませんが、10年ちょっと前に嵐の二宮くん主演で映画になった蜷川幸雄監督『青の炎』の原作者、2012年に映画化した『悪の教典』の原作者、などと言ったら「ああ!」と思う人も多いでしょう。

 

もちろん「青の炎」も「悪の教典」も本当に面白いし好きですし、特に「青の炎」なんて17歳の完全犯罪を描いた切なく鮮烈な作品で読んだ当時は頭を撃ち抜かれたような新鮮さがありましたが、

個人的には彼の作品で一番好きなのはと聞かれたら、1997年発売の「黒い家」が超おすすめです。今読んでも、全然古くない! こちらジャンル的にはホラーとされていますが、読んだ感覚としてはミステリーかなとは思います。

 

黒い家 (角川ホラー文庫)

黒い家 (角川ホラー文庫)

 

実は朝日生命に勤めていた経験のある貴志さんなので、保険金殺人をテーマに描かれたこの作品はリアルな描写が多く出てきます。 世の中で一番怖いのは人間、とはよく言いますが、本当にそう思える作品ってそうそうありません。この作品は確実にそのうちのひとつです。

ストーリーとしては、保険の営業マンがちょっと怪しい保険金請求に対して、匿名で保険金の請求者に忠告の手紙を出すという物語。物語としては非常にシンプルです。

 

皆さん、映画や劇ではなく、本を読みながら声を出して怖がってしまった経験はありますか? 文字を自分の意思で追いながら、心臓がばくばくしてしまったことはありますか?

そんなの今までないよ、という人がいましたら、これ読んでください。新しい経験をすることになると思います。ちなみに私はこの作品10回以上読み直してます。それぐらい、すごい、んです。

 

いびつな兄弟喧嘩の行く末、残酷な感情の結末

最近、「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川賞を取り、バラエティ番組などでも活躍されている羽田圭介さん。芥川賞作家でもあり、その鮮烈なキャラもあいまって、まぁ知ってる人がほとんどだとは思うんですが、彼のデビュー作までご存知の方は少ないんじゃないでしょうか

 

実は羽田さんは17歳で文学賞を取り、鮮烈なデビューを飾っています。

私は中学2年生の時にそのデビュー作に出会い、「こんな小説があるのか」と図書館で打ち震え、何度も連続してその本を借り続け、日本語の勉強を兼ねて原稿用紙に好きな表現を書き写していたほど衝撃的な作品でした。その名も、「黒冷水(こくれいすい)」。

 

黒冷水 (河出文庫)

黒冷水 (河出文庫)

 

黒く冷たい水、という意味の通り、心の中に広がるじわっとした負の感情を鮮やかなスピード感で切り取った作品です。

 

高校生の兄と中学生の弟が家庭内で憎しみあい、冷戦のように見せかけた小さな兄弟喧嘩を繰り広げるという物語なのですが、これがもう、えげつない。思春期特有の嫉妬、自己顕示欲、プライド、様々なものが入り混じり、「家庭内」という近しい関係で露呈してしまう時、むき出しになった人間の感情はいかにグロテスクか

正直これ、17歳の男の子がリアルタイムに描き切ったからこそ、ここまで鮮やかに切り取れたのだろうとしか思えない作品です。いい意味で表現は大人びていて、悪い意味で完成しすぎている不思議な作品ではあるのですが、読み通し切った時に感じるアンバランスさは、やっぱり若い人による作品なのだなと思えます。

 

しかし、当時は「えー?17歳という話題が欲しくて、これ絶対ゴーストライター使ったでしょー!」と思ってました。それぐらい17歳が書いたと信じられない、静かな熱量がすごい作品です。

こじらせ男子の先駆けって言うんでしょうか。ひねくれた羽田さんの原点を見ることのできる作品でもあります。(羽田さん、このあと結構童貞くささ全開の作品とか出すんです)

 

ちなみにあまりに好きすぎて、ビブリオバトル(本の紹介プレゼンバトル)でこの作品を何度か取り上げたことがあります。いやーたまらん。

 

地図には存在しない島で、不自然な謎を追う

ゴホンゴホン、えーっ、暗い小説が2つ続きましたね。紹介する作品で人の性格って出るのかもな……、と思いながらまだブログ書き続けています。

 

さて、次にご紹介するのは漫画です。

でもこれまたあんまり明るくないです、すいません。

 

4巻で既に完結した作品、「蜜の島」。

 

蜜の島(1) (モーニングコミックス)

蜜の島(1) (モーニングコミックス)

 

 

ときは戦後。

戦死した友人の遺言である「昔惚れた妻を東京へと連れ帰ってしまったが、うちの妻と娘は東京では生きていけない。どうか東京へ戻ったら、2人を故郷の島へと送り届けて欲しい」というメッセージ聞いていた主人公の南雲は、東京へと向かいます。

探すと友人の妻は戦争によって亡くなっており、そこに残されていたのは幼い娘・ミツだけでした。友人の遺言を叶えるべく、ミツちゃんをつれて友人の言っていた故郷の島へと向かう南雲。

向かう途中、その島は「地図上、存在しない島」とされていることを知ります。しかし、友人は確かに遺言でこの島の名前を口にしたはず。紆余曲折、なんとかその島へとたどり着くのですが、その島は昔ながらの農村らしい生活を続けている、誰も第二次世界大戦のことさえ知らない変な島でした。

一見平和な島。ですが段々と、島民たちはどこか独特で、不思議な価値観で暮らしていることに南雲は気がつき始めます……。

 

あらすじ書くのって難しいですね、物語の始まりとしてはこんな感じです。これ、別に彼岸島みたいな「不思議な島に閉じ込められた!ギャハハ!吸血鬼殺人だ!殺し合い!」みたいな感じの作品では全然ないのですが、私たちの知らない価値観で生きている人間の不思議さ、怖さのようなものをヒリヒリと感じる、結論から言うと「謎解き要素満載のミステリー」です。苦手な人のために言いますと、一応人は死にます。(でもあんまりグロくないです)

ちゃんと伏線は最後に見事に回収されます。というか、4巻で「ああ!ああ!」と点と点がいっきに繋がる感じが爽快です。なぜ、人は死ぬのか。死ぬとは何か。読み終わった後、読み直したくなる仕掛けがたくさん散りばめられているんです。

 

こういう感じの作品って、面白いんだけど巻数が多すぎて、読んでる途中でもう今どの伏線拾ってるかわからないよ!みたいなのが多いんですけど、4巻なので一気読みしてしまうと記憶にあるまま、気持ちよく結末に納得できます。もう完結してますしノーストレスですね、短め作品の割には濃く仕上がっている丁寧な作品です。

 

そろそろ自分、恋愛漫画、いいっすか?

本当に暗い作品が続きましたね。(暗黒微笑)

うん、甘酸っぱいものがそろそろ欲しいですね。

では、まだ連載途中ではありますがこちらはどうでしょう、「恋のツキ」。最近これに悶絶しまして、ハマっています。

 

恋のツキ(1) (モーニングコミックス)

恋のツキ(1) (モーニングコミックス)

 

 

あのね。

東村アキコ大先生の東京タラレバ娘で「ぎゃーーーーー」と言ってるみなさん。はい、そこのあなた。そんなあなたに届けたいのがこの作品。

いいですか? タラレバ娘って作品はね、傷口に塩を塗る作品なんですよ。心理状態も状況描写も最高にわかるぜって感じなんですけど、あれ読んでたら「え、私ですか?進捗ダメです」みたいな気持ちになりませんか。

 

実は今回紹介するこの作品も「30オーバーの女が高校生男子と恋に落ちる」みたいな「は?さすがに現実世界から離れすぎでは?タラレバ娘のKEYくんよりうそっぽいわ〜」みたいな展開なんですが、いやいや、ちょっと待ってください。

この作品のグッとくる描写はそんなところではなく、ちょっとしたきっかけで出会ってしまった高校生男子にときめきを覚えつつも、自分は結婚するであろうと思いながらずっとつまらない男と同棲をしていて、その昔は確かにときめいていたし、これが正解なのだろうと信じて疑わぬまま歩き出そうとする「女の選ぶ真っ当に見える選択」に焦点が当たってるのがミソです。傷口に塩を塗るどころじゃないですよ、塗り込んで痛みが臨界突破してもう無痛になる感じです。(この表現、大丈夫か)

 

もうね。苦しい。読んでて苦しいよ。

働くって何? 結婚って何? 正解って何?

そんな疑問を一つでも思っている女子が読んだら、脱いだ靴下をそのまんまにしている同棲相手の彼氏の言動に、あ、と不意に諦めがついてしまうような恐ろしさを秘めている漫画です。何年連れ添ったって、執着してたって、恋愛関係の終わりはあるんです。

問答無用で20代、30代の女子は読んでください。特に同棲経験がある人、お願いします。多分男性は読んじゃダメです。きっと悲しくなります。

 

もしも、日本にもうひとつ皇室があったなら?

小説に戻ります。

そろそろ疲れたんで、これがご紹介する最後の作品です。(本当はもっと紹介したいものが何倍もあるけど気力がここで終わりそう)

 

私が現代を生きる女性小説家でダントツに好きなのが、本谷有希子さん、そして宮木あや子さんのお二人なんですけれども、今回ご紹介したい宮木あや子さんは最近ドラマ化して話題にもなった「校閲ガール」の原作者さんです。

代表作品は多分、「花魁道中」になるのかな。これもまた日本における花魁系の物語の中ではダントツに面白いです(漫画化しててそっちの方が人によっては読みやすいかも、登場人物が多いので)。

「さくらん」、「親なるもの断崖」とか好きな人なら「花魁道中」にハマると思います。

 

さて、そんな宮木さんの作品で、あまり話題に上らないんですが隠れた名作がひとつありまして。「太陽の庭」という作品です。念のため繰り返しますが、こちらは小説です。

 

太陽の庭 (集英社文庫)

太陽の庭 (集英社文庫)

 

 

もしも。一般人は知らないけれども、経済界や政界で神様として崇められている、もうひとつの隠れた皇室のような存在があったのなら(この小説ではそんな明白な例え方はしてないんですが、イメージとしてこう感じると思います。正確には皇室というより宮中って感じかな)

 

その名は、永代院。それは公には、秘密の存在。

そこで代々行われる後継争いを勝ち抜いたひとりの当主のもと、多くの妻や愛人、そして後継の子供達に囲まれている屋敷に暮らす人々は、どんな暮らしをして、どんな風に生き抜いているのか。そしてある日、ふとしたきっかけでその歯車が狂ってしまったなら。

 

一族の歴史、秘密、そして愛憎劇を描き切った、まさに甘美で幻想的な物語。この「もうひとつの皇室があったなら」みたいな表現にピンときた人には、絶対におすすめです。個人的には、10代の文学少女にはどんぴしゃにハマる作品なんじゃないかと思います。(なぜなら私がそうだったぞ!)

 

前半と後半で「別作品かな?」というぐらいスピード感が変わるのですが、それもまた乙。美しい物語にどっぷりハマりたい、美少女マンガの世界や、華麗なる一族の秘密みたいな物語が好き、という人は絶対にハマる名作となっています。

こういう作品に慣れていない男性の方は、前半は「うっげー!チョコレート食べ過ぎたワイ」みたいな気持ちになるかもしれませんけど、ちょっと踏ん張って後半まで頑張ってください。ファイトです。そこからは波乱万丈ドラマティック、グイグイ引き寄せられる作品になっていますから、ついてきてください。

ちなみにこの作品にハマった人は、「雨の塔」なども読んでみると実は物語の延長線上にありますので2倍楽しめます。

雨の塔 (集英社文庫)

 

 

はい、以上です! うん、めっちゃ偏ってますね!(特に前半で紹介してる2作品、どちらにもタイトルに「黒」って入ってて笑う)

 

たった5作品しか紹介していないのに意外と疲れるもんですね。これで6000字弱か。私のライフはもうゼロよ。

残りの作品(というか何倍も何十倍も紹介したいものはある)は、気が向いたときにまたまとめられたらと思います。

 

 

いや〜、フィクションって本当にいいもんですね!(水野晴郎風に)

 

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